テニス歴が長い友人が居る。
昔から草トーや市民戦でも活躍してきたので上級者の部類に入ると思うが、その友人が、最近「テニスが上手くなりたい」と言い出した。
これまで仲間内ではずっと常勝だったのが、最近周りも少しずつレベルが上がってきて頻繁に負けるようになった。相対的にレベルが落ちているのを自覚して、変わらないといけないと思ったのだろう。
で、「何が上手くなりたいの?」と聞くと、「全体的に」と言う。「具体的に何を練習するの?」と重ねて聞くと、「フォアハンド」とか「サーブ」とか言うのだが、どうもその先の思考が無いみたい。
今は気合を入れて週5日以上もテニスをやっているが、残念ながらさほど向上してなさそうだ。
これまでは若い頃に練習してきたテニス貯金があるので、あまり困らなかったのだろう。年を経ってその貯金が底を尽き、自分を変える必要性を感じても、その方法がわからないのかもしれない。
負けるということは、少なくとも相手より弱い部分があるワケで、その弱点を理解しないと始まらない。ありのままの自身の現状と、あるべき理想との差を認識し、それをどう埋めたらいいか、具体的な検討が必須だと思う。
僕は幼少の頃から運動音痴で、腕とか足とかの動かし方から考えないことには何もできなかった。中学校のときは思春期だから、他人に笑われたくない一心で、体育の種目ですらノートに課題を書いて陰で練習していた。今はこのブログがそれのひとつの手段だ。でもそれだけやってもせいぜい人並だったし、自分を変えるというのは難しいなと常に感じる。
でもだからこそ、課題を克服するのは楽しい。個々の弱点をひととおり修正した先に、全体のレベルがなんとなく向上して、そこで初めて「上手くなった(かな?)」と思って少しの間自己満足に浸る。
その友人にも、課題は具体化にした方が良いのではと伝えた。テニスの技術を教えることはできないけど、何歳になっても困難を克服することは楽しいということを共有していけたらと思う。